イヌ・ネコ・ヒトによる動物咬傷

<動物咬傷の感染症の頻度>

動物咬傷はアメリカの報告よると、アメリカ人の2人に1人が生涯のうちに動物に噛まれ、そのうち約9割がイヌ・ネコによるものとなっている。1年間に470万件のイヌ咬傷事故があり、うち約80万人が医療機関を受診し、さらにそのうち6000人が入院する。

日本でのデータはあまりないが、環境省によるとイヌ咬傷事故件数は年間6300件が行政機関に届け出があるが氷山の一角だと考える。

日本においても動物咬傷の頻度はイヌが8割以上、ネコが1割程度、ヒトやハムスター、カワウソなどその他が1割以下となっている。

感染症を起こす確率はイヌ咬傷では5-20%で、ネコ咬傷はその約10倍の80%以上である。これはネコの口の中が汚れているからではなく、ネコの牙が細く鋭いため入口は小さいものの深い傷になるためである。そのため化膿性関節炎や骨髄炎が多いのも特徴である。

ヒト咬傷は10-15%が感染症を合併する。自傷、喧嘩、医療者が患者ケア中に咬まれる場合があるが実際に咬まれた損傷より手拳で顔面を殴ったときに生じる手拳損傷の汚染の方が重度の感染症を合併する。

感染しても多くの場合は蜂窩織炎だが、壊死性筋膜炎や骨髄炎、重症化し敗血症性ショックになることもある。

<動物咬傷の原因菌>

イヌやネコは原因菌は頻度が一番多いのはパスツレラ・マルトシダ(Pasteurella multocida)が一番多いが、イヌの場合はパスツレラ・カニス(Pasteurella canis)も多い。

猫ひっかき病の原因菌で有名なバルトネラ・ヘンセレ(Bartonella henselae)も大事である。

黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、口腔内嫌気性菌(Fusobacterium属等)、致死率の高いカプノサイトファーガ・カニモルサス(Capnocytophaga canimorsus)等も鑑別に上げておく必要がある。

ヒトの場合は常在菌の黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、緑色レンサ球菌が多いが、Eikenella corrodens、インフルエンザ菌、腸内細菌科、口腔内嫌気性菌(Fusobacterium属等)等の報告もある。

狂犬病は世界で年間5万人が狂犬病により死亡しているが日本では1957年以降、海外で感染して帰国後に発症した3例を除き、ヒト・イヌともに感染例はない。

ネコ Pasteurella multocida, Bartonella henselae,

Staphylococcus aureus, 口腔内嫌気性菌,

Capnocytophaga canimorsus

イヌ Pasteurella multocida, Pasteurella canis,

Staphylococcus aureus, 口腔内嫌気性菌,

Capnocytophaga canimorsus

ヒト Staphylococcus aureus, 緑色レンサ球菌,

口腔内嫌気性菌

<動物咬傷の治療>

一番大事なのは創部をしっかり洗浄し、必要に応じてデブリードマンをすることである。

生理食塩水ではなく水道水で洗う方が望ましい。

神経、腱、骨および血管の損傷がないか確認し必要があれば専門家にコンサルトする。

出血のコントロールがついていない場合を除きすぐには一次閉創はせずに感染がないことを24時間後に確認してから縫合する。

もちろん感染の可能性を考えで中縫いは原則行わない。

抗菌薬はパスツレラ属はペニシリン系に感受性が良いことと嫌気性菌は検出されていないだけで混合感染のことも多いため予防投与はオーグメンチン、治療薬としてはユナシンを使用する。

予防内服は原則行う。また日本のオーグメンチンは海外のと比べてアモキシシリンの量が少ないため併用することが望ましい。俗にいう『オグサワ』である。

第一選択薬
予防投与 オーグメンチン(アモキシシリン/クラブラン酸)250mg 3錠 1日3回

+サワシリン(アモキシシリン)250mg 3錠 1日3回

治療薬 ユナシン(アンピシリン/スルバクタム)3g 6時間ごと

ペニシリンアレルギーの場合は以下の以下の抗菌薬を使用する。

代替薬
予防投与 (ドキシサイクリン100mg 2錠 1日2回 or バクタ(ST合剤) 4錠 1日2回)

+(フラジール(メトロニタゾール)250mg 4錠 1日2回 or ダラシン(クリンダマイシン)150mg 4錠 1日2回)

治療薬 (セフォタックス2g 24時間ごと or シプロキサン 400mg 12時間ごと)

+アネメトロ(メトロニタゾール)500mg  12時間ごと

破傷風の予防も忘れてはならない。

動物咬傷の場合は受傷6時間以内で感染徴候がなければ、破傷風起こす可能性が低い傷とみなして抗破傷風ヒト免疫グロブリン(HTIG)は投与しない。

破傷風トキソイド接種歴 破傷風トキソイド 抗破傷風ヒト免疫グロブリン
不明 or 3回未満 ×
3回以上 〇(最終接種より

10年以上経過)

×

劇症型溶血性レンサ球菌感染症

劇症型溶血性レンサ球菌感染症の患者を現在診療中のため診断基準を確認。

定義

β溶血を示すレンサ球菌を原因として、突発的に発症して急激に進行する敗血症性ショックの病態である。

5類感染症のため7日以内に保健所に届け出が必要。届け出に必要な要件は3つですべてを満たすこと。

1.ショック症状

2.以下の症状のうち2つ以上

肝不全、腎不全、ARDS、DIC、軟部組織炎、全身性紅斑性発疹、痙攣・意識消失などの中枢神経症状

3.分離・同定による病原体の検出(A群以外でも可)

長谷川式認知症スケール(HDS-R)

1 お歳はいくつですか? (2年までの誤差は正解)   0 1
2 今日は何年何月何日ですか?何曜日ですか? (年月日、曜日が正解でそれぞれ1点ずつ) 年 月 日 曜日   0 1   0 1   0 1   0 1
3 私たちがいまいるところはどこですか? (自発的にでれば2点、5秒おいて家ですか?病院ですか?施設ですか?のなかから正しい選択をすれば1点) 0 1 2
4 これから言う3つの言葉を言ってみてください。あとでまた聞きますのでよく覚えておいてください。 (以下の系列のいずれか1つで, 採用した系列に○印をつけておく) 1: a)桜 b)猫 c)電車 2: a)梅 b)犬 c)自動車   0 1   0 1   0 1
5 100から7を順番に引いてください。 (100-7は?、それからまた7を引くと? と質問する。最初の答えが不正解の場合、打ち切る) (93) (86)   0 1   0 1
6 私がこれから言う数字を逆から言ってください。 (6-8-2、3-5-2-9を逆に言ってもらう、3桁逆唱に失敗したら、打ち切る) 2-8-6 9-2-5-3   0 1   0 1
7 先ほど覚えてもらった言葉をもう一度言ってみてください。 (自発的に回答があれば各2点、もし回答がない場合以下のヒントを与え正解であれば1点) a)植物 b)動物 c)乗り物 a: 0 1 2 b: 0 1 2 c: 0 1 2
8 これから5つの品物を見せます。それを隠しますのでなにがあったか言ってください。 (時計、鍵、タバコ、ペン、硬貨など必ず相互に無関係なもの) 0 1 2 3 4 5
9 知っている野菜の名前をできるだけ多く言ってください。 (答えた野菜の名前を右欄に記入する。途中で詰まり、約10秒間待っても出ない場合には そこで打ち切る) 0~5=0点, 6=1点, 7=2点, 8=3点, 9=4点, 10=5点 0 1 2 3 4 5

グラム陽性桿菌

グラム陽性桿菌は大きくわけて4種類。

最後のClostridium sppは嫌気性菌。

1.Bacillus spp(バチラス)

芽胞を形成する大型菌。多くは土壌、水、草木に広く存在。

1)B.anthracis(バチラス・アンスラシス):炭疽菌、4類感染症

2)B.cereus(バチラス・セレウス)

食中毒やカテーテル感染の原因菌。潜伏期1-6時間で悪心、嘔吐を主症状とする毒素型と潜伏期10-13時間で下痢を伴う腹痛を主症状とする感染型の2型がある。

Txはクリンダマイシン(CLDM)、バンコマイシン(VCM)が第一選択だがニーーキノロンやカルバペネム系も有効。

3)B.subtilis(バシラス・サブティリス):枯草菌

2.Listeria monocytogenes(リステリア・モノサイトジェネシス)

小児や免疫不全患者の化膿性髄膜炎の原因菌。Txはアンピシリン(ABPC)の大量療法。

3.Corynebacterium spp(コリネバクテリウム)

1)C.diphtheriae(コリネバクテリウム・ジフテリア)

咽頭に感染し毒素を放出し心筋炎や昏睡に至る。致死率5-10%。4種混合ワクチン(ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ)。二類感染症。日本での最終報告は1999年。

2)C.jeikeium(コリネバクテリウム・ジェイケイアム)

皮膚の常在菌でありコンタミ菌。まれに骨髄炎。多剤耐性てありTxはバンコマイシン(VCM)

4.Clostridium spp(クロストリジウム)

抗菌薬スペクトラムと細菌を理解する3つのStep

Step1、細菌を7つに分類

抗菌薬の系統とスペクトラムを理解するために細菌を7つに分類します。大雑把に理解するため分けているため各論でスペクトラムが異なることがあることに注意してください。

1)グラム陽性球菌

A.連鎖球菌グループ 連鎖球菌(肺炎球菌を含む)、腸球菌

B.ブドウ球菌グループ 黄色ブドウ球菌(MSSA)

C.耐性ブドウ球菌グループ 黄色ブドウ球菌(MRSA)、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(CNS)

2)グラム陰性桿菌

D.大腸菌グループ 大腸菌、Klebsiella

E.緑膿菌グループ SPACE(Serratia、Psudomonas、Acinetobacter、Citrobacter、Enterobacter)

3)嫌気性菌、その他

F.嫌気性菌グループ Bacteroides、Peptostreptococcus

G.その他 Chlamydia、Rickettsia、Mycoplasma、Legionella

 

Step2、抗菌薬の系統別の表を作ろう

抗菌薬は系統別に整理するとわかりやすくなります。自分の勤務する病院での採用薬剤を系統別に一覧にしましょう。

1)βラクタム系抗菌薬

1、ペニシリン系

ペニシリンG(PCG)

アンピシリングループ アンピシリン(AMPC、ビクシリン®)、アンピシリン/スルバクタム(AMPC/SBT、ユナシン®)

抗緑膿菌のペニシリングループ ピペラシリン(PIPC、ペントシリン®)、ピペラシリン/タゾバクタム(PIPC/TAZ、ゾシン®)

2、セフェム系

第一世代 セファゾリン(CEZ、セファメジン®)

第二世代 セフォチアム(CTM、パンスポリン®)

抗嫌気性菌の第二世代 セフメタゾール(CMZ、セフメタゾン®)

第三世代 セフォタキシム(CTX、セフォタックス®)、セフトリアキソン(CTRX、ロセフィン®)

抗緑膿菌の第三世代 セフタチジム(CAZ、モダシン®)

第四世代 セフェピーム(CFPM、マキシピーム®)

3、カルバペネム系 メロペネム(MEPM、メロペン®)、ドリペネム(DRPM、フィニバックス®)

2)βラクタマーゼ以外

1、アミノグリコシド系 ゲンタマイシン(GM、ゲンタシン®)

2、マクロライド系 アジスロマイシン(AZM、ジスロマック®)

3、リンコマイシン系 クリンダマイシン(CLDM、ダラシン®)

4、キノロン系 レボフロキサシン(LVFX、クラビット®)

5、テトラサイクリン系 ミノサイクリン(MINO、ミノマイシン®)

6、グリコペプチド系 バンコマイシン(VCM、バンコマイシン)

7、ST合剤 トリメトプリム/スルファメトキサゾール(ST、バクタ®)

8、メトロニタゾール メトロニタゾール(MNZ、アネメトロ®)

Step3、各抗菌薬がどのグループをカバーするか整理しよう

最後に抗菌薬の主なスペクトラムを表にしどのグループをカバーするか整理する。

1)βラクタム系抗菌薬

A B C D E F G
PCG
ABPC (○) (○)
ABPC/SBT
PIPC (○)
TAZ/PIPC
CEZ
CTM
CMZ
CTRX (○)
CAZ
CFPM (○)
MEPM

2)βラクタマーゼ以外

A B C D E F G
GM
AZM
CLDM (○)
LVFX (○) (○)
MINO
VCM
ST (○)
MNZ

 

参考文献:羊土社 抗菌薬について内心疑問に思っていることQ&A 大曲貴夫

感染性心内膜炎

感染性心内膜炎(IE:Infective Endocarditis )

<Duke臨床的診断基準>

【IE 確診例】

Ⅰ.臨床的基準 大基準 2 つ,または大基準 1 つと小基準 3 つ,または小基準 5 つ

(大基準)

1.IE に対する血液培養陽性

A.2 回の血液培養で以下のいずれかが認められた場合

(i)Streptococcus viridans,Streptococcus bovis,HACEK グループ

(ii)Staphylococcus aureus または Enterococcus が検出され,他に感染巣がない場合

B.つぎのように定義される持続性の IE に合致する血液培養陽性

(i)12 時間以上間隔をあけて採取した血液検体の培養が 2 回以上陽性

(ii)3 回の血液培養すべてあるいは 4 回以上の血液培養の大半が陽性(最初と最後の採血間隔が 1 時間以上)

2.心内膜が侵されている所見で A または B の場合

A.IE の心エコー図所見で以下のいずれかの場合

(i)弁あるいはその支持組織の上,または逆流ジェット通路,または人工物の上にみられる解剖学的に説明の できない振動性の心臓内腫瘤

(ii)膿瘍

(iii)人工弁の新たな部分的裂開

B.新規の弁閉鎖不全(既存の雑音の悪化または変化のみでは十分でない)

(小基準)

1.素因:素因となる心疾患または静注薬物常用

2.発熱:38.0 ℃以上

3.血管現象:主要血管塞栓,敗血症性梗塞,感染性動脈瘤,頭蓋内出血,眼球結膜出血,Janeway 発疹

4.免疫学的現象:糸球体腎炎,Osler 結節,Roth 斑,リウマチ因子

5.微生物学的所見:血液培養陽性であるが上記の大基準を満たさない場合,または IE として矛盾のない活動性炎症の血 清学的証拠

6.心エコー図所見:IE に一致するが,上記の大基準を満たさない場合

Ⅱ.病理学的基準菌:培養または組織検査により疣腫,塞栓化した疣腫,心内膿瘍において証明,あるいは 病変部位における検索:組織学的に活動性を呈する疣贅や心筋膿瘍を認める

【IE 可能性】

“確診”の基準には足りないが,“否定的”に当てはまらない所見

【否定的】

心内膜炎症状に対する別の確実な診断,または

心内膜炎症状が 4 日以内の抗菌薬により消退,または

4 日以内の抗菌薬投与後の手術時または剖検時に IE の病理学所見なし

<治療>

菌が同定されていれば

Streptococcus(連鎖球菌)

PCG+GM or ABPC+GM or CTRX+GM

Enterococcus(腸球菌)

ABPC+GM

MSSA

CEZ+GM

MRSA

VCM+GM

菌が同定されていない場合

GNRも考える場合はCTRXも入れる

人工弁の場合はブドウ球菌系が多い。入院中や術後2か月以内はCNSやMRSAカバーをする。

自己弁

抗菌薬投与あり ABPC(SBT/ABPC)+GM±CTRX

抗菌薬投与なし CTRX+GM

人工弁

抗菌薬投与あり VCM+GM±リファンピシン or VCM+GM+CTRX

抗菌薬投与なし VCM+GM+CTRX or SBT/ABPC+GM+CTRX

救急専門医の更新

救急専門医も専門医機構による新専門医制度に移行していく予定になったため更新制度が変わったので確認していきましょう。

専門医機構の新専門医制度の更新は以下に記す4項目の合計が50単位必要です。

 項 目  取得単位
 i) 診療実績の証明

A診療実績(20件で1単位)B能力判定試験(5単位)

  最小 5 単位、最大 10 単位
  ii) 専門医共通講習

専門研修施設群のいずれかの施設が開催するもの

  最小 5 単位、最大 10 単位

(このうち 3 単位は必修講習)

 iii) 救急科領域講習

①学会(☆1)が主催する教育講演・リフレッシャーセミナー(最小6単位)

②救急領域に関する医師会主催のセミナー・講演会

③厚生労働省病院前医療体制における指導医等研修会 (初級,上級)都道府県災害医療コーディネート研修会

④機構が認定するシミュレーション Off-JT  (受講あるいはインストラクター参加、最大12単位)

  最小 20 単位
iv) 学術業績・診療以外の活動実績

査読のある雑誌への救急医学系論文の投稿(筆頭) 2 単位 (共著) 1 単位

学術集会(☆2)での発表(演者か共同演者 1 名(2nd author)) 1 単位/演題

学術集会(☆2)での司会・座長 1 単位/回

学術集会(☆2)における参加 1 単位/学術集会(最大 3 単位)

学術研究(レジストリ登録)への参加 1 単位/5 症例登録(最大 3 単位)

災害訓練への参加 2 単位/回(最大 4 単位)

地域の救急医療機関との連携会議への参加 1 単位/回(最大 4 単位)

地域の市民・医療従事者への教育・啓発活動

  0~10 単位

☆1日本救急医学会、日本臨床救急医学会、日本救急医学会地方会、日本集中治療医学会、 日本熱傷学会、日本外傷学会、日本中毒学会、日本集団災害医学会

☆2日本集中治療医学会、日本外傷学会、日本中毒学会、日本熱傷学会 日本脳卒中学会、日本腹部救急医学会、日本脳死脳蘇生学会、日本救命医療学会、日本集団災害医 学会、日本小児救急医学会、日本神経救急学会、日本脳神経外科救急学会、日本交通科学学会、 日本 Shock 学会、日本航空医療学会、日本蘇生学会、日本精神科救急学会、日本 Acute Care Surgery 学会、日本病院前救急診療医学 および本機構の認める救急医学関連の国際学会が行う学術集会

なんだか複雑になっているのと学会(☆1)が主催する教育講演・リフレッシャーセミナーの最小6単位を絶対に取り忘れないようにしないといけないですね。

更新の移行期の2016年から2019年はどうなっているかというと救急学会での更新も可能であり、救急学会認定の救急専門医(旧制度)と専門医機構の救急専門医(新制度)が2024年まではクロスする形になります。

専門医機構での更新も2016年から2019年はクロスしているのでまた以下に記載します。またそれなら救急学会認定の専門医制度(旧制度)で更新しようと思う人がいるでしょうから同様に記載しておきます。

まず救急学会認定の専門医制度(旧制度)の更新方法。

1-5までの合計が150点以上必要。

 1、学会出席  2、学会発表☆3  3、司会・座長
日本救急医学会総会 50点  50点  50点
日本臨床救急医学会総会  35点  35点 35点
 日本救急医学会地方会   20点  20点  20点
 日本医学会総会及び救急医学に関連する日本医学会分科会☆4 (地方会は除く)   10点  10点  10点
 その他の救急医学に関連する学会・研究会*2(地方会は除く)  5点  5点  5点
日本救急医学会主催・共催のセミナーまたは講演会  主催:30点

共催:10点

 主催:30点共催:なし  主催:30点共催:なし
 JATEC、JPTEC、ICLS(AHA/ACLSを含む)コース   5点

最大:10点/年

☆3共同演者については、その得点を全演者の人数で除した点数(切り上げ)

☆4日本医学会総会、日本内科学会、日本小児科学会、日本循環器学会、日本外科学会、日本整形外科学会、日本麻酔科学会、日本胸部外科学会、日本脳神経外科学会、日本形成外科学会、日本小児外科学会、日本消化器外科学会、日本職業・災害医学会、日本心臓血管外科学会、日本集中治療医学会、日本脳卒中学会、日本感染症学会、日本血栓止血学会、日本消化器内視鏡学会

☆5 日本中毒学会、日本熱傷学会、日本腹部救急医学会、日本臨床外科学会、日本脳死脳蘇生学会、日本外傷学会、日本救命医療学会、日本集団災害医学会、日本小児救急医学会、日本神経救急学会、日本脳神経外科救急学会、日本交通科学学会 、日本Shock学会、日本航空医療学会、日本蘇生学会、日本精神科救急学会

4.誌上発表(救急医学、または救急医学に関連する論文)

1)原著、英文論文、その他解説論文 筆 頭 著 者:1編につき40点 共同執筆者: 40点を全執筆者の人数で除した 点数(切り上げ)

2)日本救急医学会雑誌・Acute Medicine & Surgery掲載論文は、2倍の配点とする。

5.海外での救急医学に関連する学会参加、学会発表、論文発表、セミナーや講演会はそれぞれ 上記1〜4に準じる。

 

続いて、2016年~2019年の移行期の専門医機構の救急専門医(新制度)の更新方法。

 項 目 2016年   2017年  2018年  2019年
 i) 診療実績の証明  判定試験 5 単位  判定試験 5 単位  判定試験 5 単位  判定試験 5 単位
 ii) 専門医共通講習

iii) 救急科領域講習

iv) 学術業績・診療以外 の活動実績

5単位

学術業績は対象外

15 単位

必修講習で 1 単位以上

学術業績は 対象外

 25 単位

必修講習で 2 単位以上

学術業績は 対象外

 35 単位

必修講習で 3 単位以上

 従来の業績  120点 90点

off-JTコース参加は対象外

60点

off-JTコース参加は対象外

30点

業績の重複は 不可

 

以上になります。詳細は必ず自分でチェックしてください。

 

新専門医制度の集中治療専門医の更新

集中治療学会の専門医の更新について確認。

過去5年間の会員歴および業績目録が必要になってきます。

業績目録は専門医資格取得日または更新日の前年4月1日を起算日として5年間、日本集中治療学会学術集会出席1回以上を含め、総合計40単位以上の実績を記載となっています。

 区分  学会学術誌等の種別  筆頭者  筆頭者以外
 学術論文 日本集中治療医学会機関誌に掲載された論文など
日本集中治療医学会機関誌に掲載された短報など
日本集中治療医学会が認める学術誌に掲載された論文、あるいは著書
20 単位
10 単位
5単位
 5単位
2.5 単位
 学術集会発表 日本集中治療医学会学術集会あるいは日韓合同集中治療会議
日本集中治療医学会地方会
日本集中治療医学会が認める関連学会学術集会
20 単位
10 単位
5単位
 5単位
2.5 単位
 学術集会出席 日本集中治療医学会学術集会
日本集中治療医学会地方会又は本学会主催セミナー
日本集中治療医学会が認める関連学会(別表2-2)学術集会
10 単位
10 単位
5単位

別表 2-2 日本集中治療医学会が認める関連学会

①日本麻酔科学会
②日本救急医学会
③日本外科学会
④日本心臓血管外科学会
⑤日本呼吸器外科学会
⑥日本小児外科学会
⑦日本消化器外科学会
⑧日本内科学会
⑨日本循環器学会
⑩日本脳神経外科学会
⑪日本小児科学会
⑫日本呼吸器学会
⑬全国レベルの学会(地方会含む)および外国での集中治療に関する学会

つまり日本集中治療学会学術集会に1回以上でて、関連学会を含め学会参加だけで更新は可能であるということがわかりました。

他の専門医制度と比べると更新は比較的簡単で特別な対策をとらずに更新できますね。

医師国民健康保険と国民健康保険はどっちがお得?

社会保険は簡単にいうと会社や組合、国や地方自治体といった公の機関等が「働けなくなったときに金銭を補助してくれる保険」です。

具体的には公的医療保険(健康保険など)、公的年金保険(厚生年金など)、介護保険、労災保険、雇用保険が社会保険にあたります。

基本的に勤務医は所属している病院の社会保険に加入することになり、保険料は所得により決定されています。本人が負担するのは公的医療保険、公的年金保険、介護保険、雇用保険の4つになります。労災保険は雇用した病院が全額負担してくれます。

基本を押さえるために勤務医の場合の例にとって説明します。

1 公的医療保険

病院に診察を受ける際に医療費の補助をしてくれる健康保険がこれにあたります。雇用した病院の加入している健康保険に加入します。公的病院に就職していれば共済組合保険や私立大学に就職していれば私学共済組合保険です。

保険料は所得によって計算され、扶養人数によって金額は変わらず、雇用した病院が半分負担してくれます。

2 公的年金保険

公的年金保険は高齢になった時や障害を負ってしまった時、死亡した時に保障される保険です。高齢時にもらえる年金を老齢年金、障害を負った時にもらえる年金を障害年金、死亡したときに遺族がもらえる年金を遺族年金といいます。一般の病院に就職していれば厚生年金保険、公的病院に就職していれば共済年金保険になります。

厚生年金保険等の保険料は「国民年金保険+厚生年金の上乗せ分の保険料」となっています。保険料は所得によって計算され給料の約18%で、扶養人数によって金額は変わらず、これも雇用した病院が半分負担してくれます。

3 介護保険

加入者に介護の必要が認められた時に保障を受けられるのが介護保険です。40歳以上のすべての人が加入する必要があります。

4 雇用保険

雇用保険は失業後に再就職を支援するための保険で失業給付などです。

雇用保険料は給料の0.5%であり給料から自動的に天引きされます。

 

しかし初期研修が終わり大学病院に就職する場合は往々にして専攻生や大学院生になると勤務先の社会保険には入れません!!!またアルバイトだけで生計を立てる医師も勤務先がないため同様です。

公的年金保険は国民健康保険に加入し、雇用保険と労災保険はありません。

しかし公的医療保険+介護保険は医師であれば一般的に3つ選択が可能になっています。

1、直前に加入していた公的医療保険の任意継続

直前に加入していた公的医療保険の任意継続はその医療保険によって規定がかなり違うのでしっかり要綱を確認してから申し込んでください。

任意継続は直前にどれだけの期間入会していたかで継続可能か、任意継続の期間と途中解約の可否、プラスアルファ―の保証があるかなど確認してください。

保険料は病院側の負担がなくなるので離職前の約2倍が基本になります。離職前と同様に家族の人数によって変わることはありません。

具体的に私が以前入会していた私学共済健康保険で示していきましょう。

保険料は?

→離職前の所得によってことなります。標準報酬月額180,000で年177,300(+40歳以上は介護保険分 年26,108)となっています。

直前にどれだけの期間入会していたかで継続可能か?

→1年と1日以上。1日でも足らないとダメなんです!厳しい。

任意継続の期間と途中解約の可否?

→最長2年、途中で任意解約は可能。

(協会けんぽは最長2年、途中での任意解約は不可です。)

プラスアルファ―の保証があるか?

→健康保険には法廷給付と付加給付があり、付加給付は任意継続でも一部使用でき病気、ケガ、災害、死亡、結婚、出産、入院等の際に保障されることがあります。

2、医師国民健康保険に加入

医師は県医師会経由で医師国民健康保険に加入できます。県医師会によって開業医向けであって勤務医は加入できないところもありますのでご注意ください。(千葉県医師会)

まずは医師会に入会しなくてはなりませんが入会の方法が大学医師会から東京都医師会+日本医師会に入会すると年間48,000円かかります。

東京都医師会の医師国民健康保険は会員は月24,000(+40歳以上は介護保険分 月4000円)となっており、家族は月10,000(+40歳以上は介護保険分 月4000円)となっています。家族が多くなると保険料が高くなるんですね。

つまり40歳以下、本人のみ加入の場合は年間336,000円(医師会48,000+健康保険分288,000円)です。

3、国民健康保険に加入

国民健康保険は前年の所得と加入する市町村、加入する人数によって変動します。所得が低い場合はお得になりますが一般的に医師国民保険と比べると前年度の所得がいくらくらいの場合はお得になるのでしょうか。

これも市町村によって変わりますが文京区を例にとってみましょう。

40歳未満、加入する人は1人とします。

年収550万で年間336,508円となっており、前年度の所得が550万以下なら医師国民健康保険より国民健康保険加入した方がお得になります。

参考までに年収300万で年間174,324円、年収500万で年間303,068円 、年収600万で年間369,948円となっています。

結論

年収が低いうちは現在加入中の保険の任意継続もしくは国民健康保険に入会がお得である。

国民健康保険は年収が上がってからは損になるため医師国民健康保険に加入しなおすのが望ましい。

2017年度の学会について

学会にたくさん入っているので自分が関係している主に救急、集中治療、小児、感染症の2017年度の学術集会をまとめてみました。

地方学会は関東を選んでおります。小児科学会の地方会は多すぎて載せてませんのであしからず。

今年度はどこに行こうか考え中です。

 

2017年

4月6日-8日 日本感染症学会学術集会 @新宿 (演題締切 2016年11月)

4月14日-16日 日本小児科学会学術集会 @グランドプリンス新高輪 (演題締切 2016年10月)

6月23日-25日 日本小児救急学会学術集会 @聖路加 (演題締切 2月)

7月29日 日本集中治療学会 関東甲信越支部会 @大宮 (演題締切 5月9日)

10月24日ー26日 日本救急学会学術集会 @大阪 (演題締切 5月予想)

11月18日-19日 日本小児集中治療ワークショップ @聖路加 (演題締切 不明)

2018年

1月27日 日本救急学会 関東地方会 @東京大学 (演題締切 2017年11月予想)

2月頃 環境感染学会学術集会

2月21日-23日 日本集中治療学会 @幕張メッセ

 

今年度は小児、救急、集中治療、感染症関連の学会は東京の学会が多いですね。そもそも関東在住なので好都合と言えば好都合ですが、せっかくの旅行も兼ねられる楽しみがもったいないですよね。

救急学会が大阪なので救急学会だけはしっかり演題登録し大阪の街で食い倒れしたいですね。

※ 情報は2017年3月6日現在の情報です。ご自身で再度ご確認して頂けると幸いです。